求人要項に載らない採用基準とは?

企業が「キャリア組(転職者)」を求める場合、綺麗ごとではないドタバタがあるものです。
たとえば前の採用が失敗して(ex.虚偽の申告、すぐに退職したなど)、採用をやり直すケースも少なくありません。この場合は前回の失敗を繰り返さぬよう、同じ傾向の人を毛嫌いします。
特に”なんとなく応募〟した人の定着率の悪さは有名。履歴書が閑散としていたり、内容がどこかからの引用というのはその典型です。

その一方で、「志望動機」が目に留まることがあります。その傾向を整理してみると、意外にもシンプルな記載ばかり。ただちに目に飛び込んでくるものであり、読み手の意識を鷲掴みにします。
「今回の求人内容に合っているね」
そう思わせたらしめたもの。あとは職務経歴書を見て、最低限のスキルさえクリアーしていれば面接の準備が指示されます。

具体的にどんな事例があるのか、次項で検証してみたいと思います。

受かる「志望動機」の実例

志望動機はとても悩ましい項目です。反面、そうであるからこそ、真剣に取り組んだか否かがすぐに判別できる箇所でもあります。
とはいえ、どんなに見にくくとも志望動機だけで落とすことはまずありません。ただ、ピンと来る表現がある場合、「会ってみたいね」と思わせてくれる”力〟が確かにあります。
たとえば……

■自宅が会社の近くで、通勤の負担がなくなります

これは特にリーダー職や管理職の場合、かなりの強みになります。連絡が取りやすく、業務に集中できる環境であり、なにかの場合にも自分で解決してくれそうだという安心感があります。忙しい経営者や部門長からしてみても、とても助かるスタッフです。

■若いうちに全国各地を回ってみたい(もしくは単身赴任可)
■海外に行ってみたい(語学は○○語が得意)
■給与よりもやり甲斐を優先して活動中

子会社や支店が多い企業の場合、こうした人材はノドから手が出るほど欲しいもの。ムリに書くと大変な負担になりますが、可能であるならぜひ入れておきましょう。

■転職前から○○資格の勉強をしています(受験予定あり)
■○○業務をもっと専門的に扱いたい

得意分野や専門分野はぜひともPRしておきましょう。意外と少ないのですが、転職目的が明確なものは、それだけでも好感度があがります。時にはズバリその分野の人材が欲しかった(育てたかった)――というケースもあります。
この場合の最大のポイントは、希望職種に限定するのではなく、関連部門でも活用できることを記すこと。求人を出していない部門から「欲しい」と声があがることは実際にあります。

「自分のメリット」、「会社のメリット」

このふたつの要素がカチッと決まった場合、読み手は興味をそそられます。これを表現するのに、難解なビジネス用語やポリシーは必要ありません。

「自分のメリット」では、「あなたの生活環境」と「働くことの意義」を表現します。
「会社のメリット」では、どれだけ貢献できるかよりも、「どれだけ負担を軽減できるか」の方がインパクトがあるもの。
たとえば「通勤が楽」というのは、あなたの負担が軽減されるほか、会社にとっても金銭的・労務管理面でも楽になるもの。さらに、
「遠くの優秀な人よりも、地元で働いてくれる人の方が信頼できる」
これは採用スペシャリストの経験則。実際に、地元の人は真剣に対応してくれるので、部門全体の財産になることがあります。「地元である」、「通勤が楽で業務に集中できる」というPRは、そのまま企業側のメリットに繋がります。

「志望動機」で印象づける「企業が欲しがる人材」

また「正直な人物」、「わかりやすい表現ができる人物」は、頭が良く、協調性が高いリーダーとして印象づけられます。だらだらと抽象的なことを書くと、要領が悪いか、優秀であっても独善的なタイプと見られる嫌いがあります。
そこで「私は御社を通して地元に貢献したい」という「生活環境」や、「今回の転職活動に賭けている」という「プラン(意気込み)」を、分かりやすく、短くまとめるのがポイント。

「今回の転職には家族も同意」など、一見、無関係な動機が書かれていることがありますが、この方が面接に進んだことは言うまでもありません。家族の支えがあるのなら、その人物は信用に足り、長くがんばってくれそうだからです。
選考基準はさまざまありますが、企業が求める人材は、あくまで「当社で真剣に取り組める人」、「安定して勤めてくれる人」がメインです。必ずこれを意識しましょう。


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アラフォーゲイです。

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